喉の違和感(詰まり・呼吸しづらい・引っ掛かり)について
風邪ではないが喉の違和感
新型コロナウイルスの影響でマスクが欠かせなくなった2020年、緊急事態宣言・自粛要請・新しい生活様式の変化などで目まぐるしく社会が変わりました。『スティホーム』という言葉も多く聞きました、
外へ出ることは生活リズムを作る自律神経にとっては重要な要素であります。
自律神経が不活発になった上マスクの着用により、呼吸が浅くなり睡眠障害を抱える方も多いと思います。そのような現代、喉の違和感を訴える方が多くいらっしゃいます。
あなたは喉の違和感に加えてこのようなお悩みを抱えていませんか?
- 唾を飲み込むときに詰まる感じがする
- 鼻水が喉を流れ落ちてくる(後鼻漏)
- 風邪症状がなかなか良くならない
など、頸部は様々な部位と関わりがあるため『年中、風邪を引いているよう』と全身症状を示す方が多いです。これは関連痛と呼ばれるもので障害の起きた箇所から発せられる痛み信号を障害のない別の部位からの信号であると勘違いすることで起きてしまいます。
喉の特に上咽頭、ここは免疫の最前線であります。この部のトラブルが全身症状を引き起こし、いわゆる原因不明と言われてきたものの大本になることが多いです。
喉であり鼻であるこの部は、健康的な状態でも炎症が起きています。リンパ球と言う白血球の仲間が常時スタンバイしています。ウイルスや細菌が付着すると免疫機能が発動するようになっています。
近年では、『慢性上咽頭炎』という病態も叫ばれ業界でも大きな話題となっています。上記に記した通り全身症状を示す慢性上咽頭炎は、ウイルスを抑えたことによる完治は感じられずダラダラと続いてしまいます。
それは、局所的な炎症に加え、周囲組織に炎症が放散することが考えられます。
次には、自律神経との関連であります。上咽頭の周囲は神経密集地帯であり内臓まで分布する神経が走っています。
最後に挙げれるのは、免疫の暴走であります。外敵を守るのが免疫ですがそのシステムのエラーにより自分の体にも攻撃を仕掛けてしまいます。これは自己免疫疾患と呼ばれるものでアトピー性皮膚炎・掌蹠膿疱症などが考えれます。
この慢性上咽頭炎には悪化せる6つの要素があります。
①風邪(感冒)
喉の痛み・鼻水と言った風邪症状、これは急性上咽頭炎の結果であります。
この上咽頭には神経線維が豊富で迷走神経が投射されており、自律神経と共に密接な関係があります。関連痛として、上咽頭に近い首・肩にコリを形成し頭痛になることも考えれます。
②粉塵・黄砂・タバコ
健康的な人でも免疫機能をもつ上咽頭は生理的な炎症状態であります。
そこに刺激性の強い粉塵・黄砂・タバコなどを吸い込むとリンパ球が戦闘態勢に入り慢性上咽頭炎に移行してしまいます。
③ある種のワクチン(HPVワクチン)
免疫活性化目的のワクチンであるため、過度に活発になり慢性上咽頭炎へと移行してしまいます。
④ストレス
過度のストレスは身体にはよくありません。
ストレスの中枢は視床下部であり、視床下部はその近くにある喜怒哀楽などの情動や記憶と関連深い大脳辺縁系から強い影響を受けています。
ストレス咳嗽と言って、痰のない空咳が特徴的です。
⑤低気圧
気圧が低いと古傷が痛む・頭痛・全身倦怠感など多くの方が気象病を経験したことがあると思います。気圧の低下により、上咽頭のうっ滞(血・リンパ球)が起きると体調不良が起こることが考えれます。
⑥寒冷
夏場の冷房など外気温に限らず寒冷は上咽頭を悪化させます。特に首の後ろに冷えを感じたときには要注意であります。
慢性上咽頭炎の症状
①喉の痛み
喉の痛みの9割以上は上咽頭炎と呼ばれています。
上咽頭は刺激を伝達する神経線維が豊富であり、内臓にも広く分布する迷走神経と喉に分布する舌咽神経の両方が喉には張り巡らされています。このため脳が勘違いして鼻の奥の痛みと感じるものだと思われます。
②後鼻漏
慢性上咽頭炎による後鼻漏であれば、副鼻腔炎が原因のものと異なり細菌感染はなく、白血球や細菌の死骸が含まれる黄色の痰はありません。
血液検査でも炎症反応があるわけではないのでCRPも正常であることがほとんどであります。患者さんにとっては深刻な問題でありますが画像や検査で出てこないため『気のせい』と精神科へ送られる方もいらっしゃいます。
③慢性風邪
この特徴は人からもらいやすく、他人に移すことが少ないことが特徴的であります。寒気を常時感じ、過労やストレスで簡単に風邪をひきやすい人も含まれます。
④頭痛
あらゆる頭痛がありますが頸部や肩上部のコリが原因となる頭痛がほとんどであります。関連痛により発生られた信号によりコリを形成し頭痛を感じます。
⑤慢性咳嗽(咳喘息)
原因が不明な慢性の咳の中でも空咳が特徴的であります。過敏になった上咽頭による反射により起こるものであります。
喉の違和感に対する施術
慢性上咽頭炎、これは慢性的に上咽頭で炎症が起きていますと言う病態です。炎症とは熱がこもる状態であり、鼻のあたりにずっと火種が残り熱こもり体質になっています。
すると熱が降りてこず、全身に寒気を感じます。体表にある首・肩コリが邪魔して熱がこもってしまいます。
このように考えると熱を下降させることがポイントとなります。
- 上半身と下半身の間で熱の交流が失われている箇所の緊張を緩める
- 頸部のコリを緩め、熱の下降を促す
- 肩甲骨を緩め心肺機能を高める
- 熱の下降ルートを確保する(首・肩コリを緩める)
- お腹の緊張を緩め心肺呼吸運動を促す
あなたにあった施術をするのが治療院の強みである
痛みがあれば、湿布を貼る方が一定数いると思います。その中に効く人・効かない人がいます。それは体質の違いであります。この違いを見極めて、オーダーメイドの施術を行える強みが私達にはあるのです。
〇〇炎とは、炎症が起こっている病態を示し熱がこもっている状態であります。風邪を引いたことがあると思います。このときに上咽頭に炎症が起こりますが、炎症が治まっていくにつれて、鼻に生じていた熱は下に降りて全身に循環することで、上咽頭にあった火種は消え去っていきます。でも、風邪が治り粘膜の炎症が終息しているのにも関わらず、上咽頭に残った炎症の熱が下へ降りない人がいます。鼻のあたりにずっと火種が残り、熱がこもってしまう状態。上咽頭の火種がくすぶり続けて、熱こもり体質になっているのが慢性上咽頭炎に悩まされている人であります。
慢性上咽頭炎の人に極度の寒がりの人が多いのは、全身の熱不足が原因であります。咽頭にトラブルがあり循環出来ない体質になっているため、頭部には熱がこもり、身体は冷えている状態になります。この上咽頭にくすぶる火種を解消しないと根治には繋がりません。
そこで施術では、咽頭部周辺特に肩こり・首こりのチェックを欠かすことが出来ません。
肩こり・首こりがあると熱が下に降りてこれない→上咽頭炎が続く→ちょっとしたことですぐに炎症になると言う悪循環に陥ります。
そこで、鍼施術を通じて、肩こり・首こりの解消→熱を循環させる→炎症を鎮めると言う施術方針にてすすめていきます。