睡眠障害について
睡眠について
世界で一番睡眠時間が短い国の日本
我が国は世界で一番睡眠時間が短い国として知られています。その風習もあり考えなければいけないのは、質の問題であります。
- 途中覚醒してしまう
- 寝付けない
- 午前中の仕事から眠たい
など睡眠においての問題を抱えている人は多いと思います。
これにあてはまる人の多くは常習化してしまい、これが当たり前の感覚になっている危険性もあります。けれども睡眠の質が高い人ほどそのメリットは存分に体験しています。
- 自律神経機能が高まり一日にメリハリがある
- 疲労がとれやすい・疲れにくい
- 身体が温かくやる気に満ち溢れている
- 周りから若く見られる
- 意識が高く、元気なオーラを感じる
など…生理機能である睡眠を侮ることは出来ません。
自律神経を働かせすぎる現代人にとって睡眠の質を高めることは最高の健康法であります。
睡眠ー自律神経
人の身体は、自律神経により様々な機能が調節されています。
自律神経とは、意思とは関係なく内臓や器官、汗腺など生理機能をコントロールしている神経であります。自律神経は、活動時に働く交感神経と休息時に働く副交感神経があり、活動が活発な日中は交感神経が優位となり、休息する夜間は副交感神経が優位となります。
自律神経は、過剰なストレスや長期間のストレスにさらされると、バランスが乱れ身体の状態にも悪影響を及ぼします。
夜になってもリラックスできない場合は、緊張やストレスが続き良い睡眠が得られずに脳や身体の疲れがとれません。健康的な睡眠と覚醒リズムを作るためには、自律神経の働きを意識して効果的な時間を過ごすことが大切であります。
なぜ眠る必要があるのか?
それは眠らないと疲労は回復しないからであります。
眠らないことで疲労を回復する機会が失わわれると無気力や視力低下、妄想被害、記憶障害などが現れます。
疲労を回復する手段=睡眠と考えれば、いくら睡眠時間がとれてても疲労感が残っているのあれば、質の良い睡眠とは言えません。
一昔前まで、睡眠は単なる休息や眠気の解放とされていました。人は大脳が発達されているため脳の機能回復が重要となるからです。
近年においてはレム睡眠の発見により、記憶の整理・自律神経、ホルモンバランスの調整・脳の老廃物除去など次第に重要なことがわかってきました。適切な睡眠をとらないとパフォーマンス低下、肥満・糖尿病・高血圧といった生活習慣病、精神疾患、がん、認知症のリスクが高まります。
疲労がないことはない
起きて活動する以上必ず疲労します。これには自律神経が関わってきます。
ただでさえ24時間年中無休の自律神経、そこに運動・仕事・ストレス・気候など環境因子が加わり酷使されます。すると自律神経中枢の細胞のミトコンドリアが多くの酸素を取りこもうとします。このとき活性酸素が大量に発生し、抗酸化物質の働きが追い付かなくなります。次第に活性酸素がミトコンドリアを酸化させ、錆びさせます。
このときに自律神経中枢の機能が一時的に低下する…このようなフローで疲労を感じ無気力や視力低下、妄想被害、記憶障害などの症状を引き起こします。
睡眠の問題は自律神経の老化
実は自律神経も老化します。
あらゆる生命活動を行う自律神経が老化すると血圧が上昇したり、息切れしたりして体調そのものに不調をきたします。年齢を重ねると疲れやすくなります。
これは体験したことがある方もいると思いますが10年前は徹夜できても今同じようなことをしようと思っても出来ないと思います。多少の無理はきいたあの頃ですが今では同じようなことをしても疲れがとれないことが多々あります。
自律神経は、人間の体で一番酷使されやすい器官であります。
ゆえに酸化されやすいところであります。実際の研究では自律神経の機能は年齢を重ねるにつれて低下し、60代で10代の25%以下まで落ち込んでしまいます。
疲労を通り越し老化になると、1回の睡眠で脳の細胞の錆びを取りきることが難しくなります。それは逆に言うと、睡眠をコントロールする自律神経が老化するので、満足のいく睡眠が取れなくなるということでもあります。
一度老化した自律神経はもとに戻らない上、加齢による機能の低下も止めることは出来ません。だからといって、年齢のせいにしてしまうと脳の細胞の錆びはどんどんと蓄積され睡眠の質が下がっていくことは目に見えていることであります。
このため大事なのは、いかに自律神経の機能の低下を緩やかにし年齢並みの機能を維持していくかであります。まずは生活習慣から改めることを勧めます。
加齢により体内時計も短くなるため早寝早起になる。
月経期にはプロゲステロンの影響で眠気が強くなる。更年期では精神的なストレスに加え、女性ホルモンが大幅に減少することから眠りの質が悪化する。
睡眠負債
常習化した睡眠不足は、がんや生活習慣病、肌荒れなどのリスクを高める可能性があります。例えば、糖尿病について考えます。慢性的な睡眠不足は自律神経機能の低下を招き、交感神経優位な身体になります。すると血糖値を下げるホルモン、インスリンの分泌が抑えられてしまいます。睡眠不足の翌日に血圧が高かったり心拍数が下がらなかった経験がある人もいると思います。
昨今話題の免疫にも大きな影響が出ます。重度のウイルスや細菌にかかる人をみると幼児や高齢者が多く、免疫機能の低下が考えれます。自律神経は免疫機能も司るのでこの機能が維持できないと多くの病気になることが考えられます。
徹夜して肌の弾力性を失い肌トラブルを抱えている人が多くいますがアンチエイジングではどんな美容方法よりも睡眠が優先されます。
このように全ての病気の背景に睡眠負債が関わってきます。
病気とは言わずとも注意力が散漫になると日常生活に大いに支障をきたします。ですので睡眠負債を抱えずに過ごしたいものです。
不眠症
・眠りたいときに眠れない
・夜中に目が覚めてしまう
・予定より早く眼が覚め、その後寝付けない
・満足いく睡眠が確保出来ていない
などこうした睡眠障害を不眠症と呼んでいます。幼児期にはない不眠症でありますが発症要因は3つあると言われています。
①素因
前述した通り、ホルモンの関係上女性の方が不眠症になりやすいことがわかっています。加齢と共に不眠傾向になり、不安症などストレス耐性が低い人はこの傾向があります。
②促進因子
災害、家族の病気介護などのストレスが引き金となり起こります。
③持続因子
長い昼寝、カフェイン過剰摂取など良くない習慣を続けていると起こる。