起立性調節障害について
子供の起立性調節障害
起立性調節障害は思春期特有の自律神経の乱れであり、その数は思春期全体の1割100万人以上の子供たちがいると推測されています。
自律神経の乱れは大人だけ問題ではありません、子供あります。
死に至る病気ではないので軽く受け止められることもありますが“頑張れば何とかなる”と言うものではありません。
子供のストレスは様々
- 朝、起きれない、
- 夕方になると元気になり、怠け者扱いされる
- 息苦しさ・ふらつき・倦怠感が続く
など、多くの子供たちと接する中で悩みを聞いてきました。
ひきこもりを懸念する保護者の方々の声も多くあります。
思春期には何が起きているのか?
思春期は、自我同一性と言う心の発達段階の曲がり角に当たります。自意識が強くなっている反面、友達や周囲の大人の目がとても気になります。
例えば、親や周囲の大人に抑圧されたり、気遣い過ぎている子供たちは思春期になると心の距離の取り方がわからず、心を閉ざして、人との接触を避けようとします。特に相手が先生などになるとますます緊張することで、警戒し心を閉ざしてしまいます。
よく体調が悪いのは、『心の問題だ』・『精神的に弱いからだ』と言われることが多いのですが身体がしんどく悩まれる要因を考慮しなければいけません。
他には
- 肩が凝る
- 腹痛がある
- 頭痛がある
などの症状を合併していることが多くあります。子供は自分の症状を親には言わないことが多くみられますので今一度確認してみましょう。
病気として理解されない起立性調節障害
自律神経の乱れが根底にある問題であり、病院での検査では異常がみられないことが多く心の持ちようで済まされることが多くあります。ただ単なる怠け者ではないのです。
起立性調節障害の8割の方に『朝起きの不良』・『寝つきの悪さ』があります。生活リズムが乱れ、夜にゲームなどをして朝起きれないのは起立性調節障害でなくても当然かもしれません。加えて、心のストレスも考えなくてはいけません。
起立性調節障害は身体の病気ですが心のストレスにより悪化することがわかってきています。子供は、自分の悩みを心の葛藤を整理して言葉にすることに慣れていません。しかも“学校で恥をかいた”・“いじめられた”などの出来事はプライドが妨げとなり、辛くとも親には言えない子供が多いと言われています。まずは、何か異変に気付いたら“心配事”があるのではないかと目線を向けることが大切であります。
子供を責めたり小言が続くと起立性調節障害はいつまでも治りません。その反対に保護者の心の平穏を取り戻し、ゆっくりと見守ることができると子供が徐々に平穏を取り戻し体力が回復し始めます。子供の心の平穏には保護者の心の平穏が大きく関与しているように思われます。