NEW座っているとズキズキする坐骨部の痛み
症状
半年前から左坐骨部を中心とした痛みが出現し、主にセルフケアで経過観察していたが、2か月前から症状が悪化した。特に座位時にズキズキとした痛みが持続的に生じ、立位など他の姿勢では痛みは認められない。事務仕事のため座位姿勢が多く、日常生活に支障をきたしている。整形外科で仙腸関節炎の疑いと診断され、2回の注射療法を受けるも効果は限定的であった。鎮痛剤の服用で一時的な症状緩和は得られるものの、効果の持続性が短く、常時服用が必要な状態である。
-
来院者
女性
30 代
-
期間
2024年12月 ~ 2024年12月 -
頻度
1回通院 -
通院回数
1回
施術と経過
所見として、左臀部に著明な緊張が認められ、座位での胸椎伸展動作時に症状の増悪が確認された。施術では、症状に関連する膝裏のツボ、肩甲骨周辺のツボ、ハムストリングスのツボ、臀部のツボに鍼をした所、半減した。仕上げにこの動きと関わる脛のツボに鍼をすると痛みが消失した。 施術後、座位保持が可能となり、それまで痛みを誘発していた胸椎伸展の動きも改善が見られた。
使用したツボ
まとめ
仙腸関節炎の疑いによる慢性的な坐骨部痛に対して、関連する筋緊張の緩和を目的とした鍼施術を実施した。注射療法や鎮痛剤での対応に限界がある中、鍼施術により即時的な効果が得られた。特に、座位姿勢時の痛みと姿勢制限が改善されたことは、事務作業が主である症例者の生活の質向上に寄与したと考えられる。本症例では、痛みの原因となる筋緊張に対して適切なツボを選択し施術することで、効果的な症状改善が得られることが示唆された。
担当スタッフ
洲崎 和広