2万匹のセミが常に鳴いている
症状
1年前に突然左耳が聴こえなくなり『突発性難聴』の診断を受けた。1週間の入院後、定期検診が続いている。後遺症として低音域の聴力低下・耳鳴り・耳閉感があり、賑やかな所や仕事で様々な音が鳴る所へ行くと症状が増し耳を塞ぎ込みたくなるような苛立ちを覚えることから相談いただいた。
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来院者
女性
50 代
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期間
2021年2月 ~ 2021年5月 -
頻度
週2~3回 -
通院回数
16回~20回
施術と経過
初診の時点で、聴力低下から1年経過していたので聴力を完全に回復させることは難しいと考えた。(耳鼻科でも同じ見解) 頚部・肩・腰背部の筋肉に触れると、特異的な緊張があった。特に頚部から肩にかけての緊張が、耳のトラブルの原因となることが多いため、手足のツボに鍼をして緊張をゆるめた。施術後には『5歳若返った気分、常に2万匹のセミを飼っていたが5百匹程に減った』と言う感想を得られた。 2回目、3回目と施術効果があるものの長続きしなかったため、1週間に1回だった施術頻度を2回にした。 4回目からは施術方針に顎の緊張を解くこと・腰部の緊張を解くことで耳への繋がりを意識した方向で考えた。 6回目には施術方針・施術頻度が合致したため『4月で仕事を辞めようと思っていたが塞ぎ込むようなことが無くなったので続けたいと思う』と言う報告を受けた。(この頃)セミのような音も『2百匹ほど、今は耳に膜が張ったようなヘルメットを被っているよう(耳閉感)な感覚の方が強い』とのこと。 10回目には『最近は30匹程で身体も軽い』と経過良好の報告を受けたことからここから週1回の施術に切り替えた。 17回目には耳閉感も強いストレスを受けたときや大型のスーパーへ行ったときに出現する程。セミが数匹になったことから生活上・仕事上の問題はクリアーしていると考え、一度様子をみてもらうように伝えた。
使用したツボ
まとめ
振り返ると股関節の捻じれが腰部の緊張を引き起こし全身状態を悪くさせ、耳のトラブルとなっていた症例であります。 正直、聴力低下には効果を出すことが出来ませんでしたが春に辞めようと思っていた仕事を続けることが出来て喜ばれていました。
担当スタッフ
洲崎 和広